DOOOMBOYS

ABNORMALS、COCK SUCK HOLD、COCOBAT、CULT IN-SANE、DESSERT、GRUBBY、INHEIL、WRENCHといった伝説的異色バンドの数々を渡り歩きながら、インプロヴィゼーションの現場からビートコンシャスなフロアにまで出没する百戦錬磨のドラマー・Murochin。光届かぬ東京最深部の熱水噴出孔=Black Smoker、その原点にして中核・THINK TANKのファウンディング・メンバーとしてのみならず、ソロイストとしてもMC / DJ / トラックメイカ―、そして文筆家の顔も併せ持つ鬼才・Baba aka Blue Berry。両者が本気で遊ぶための場所・DOOOMBOYSが再臨。しかもリミックス・トラック集との2枚組、特盛のお重を携えて。

DOOOMBOYSを名乗る2人は、決してボーイではない。けっこうなイイ大人だ。さらに言えば、温泉旅行を兼ねたツアー、もといツアー口実の温泉旅行が結成のきっかけというエピソードからして、ドゥーミーでもない。"O"が一文字余計なのはKool KeithのDr. Dooom由来なのかと思いきや、そういうわけでもないらしい。つまり名前と上面の言葉だけのイントロデュースでは、遊び盛りを過ぎても遊んじゃう、無軌道で無鉄砲な大人たちという感じになってしまう。それもある意味間違ってはいないのだろうけれど、音を聴けば2人がどれだけ本気か、手に取るように伝わるはずだ。守るべきもの、闘うべきものがある大人は半端に遊べないんだぜ。1音1音、1曲1曲、あらゆる作品、現場に毎度Doom=裁定を下す覚悟と、少年のようなエネルギーに満ちたフットワーク。それがDOOOMBOYSをDOOOMBOYSたらしめている。

フィジカル・インストゥルメントのライヴ感とファジーなタイム感を活かしたユニークなベースミュージックに攻撃的ながらポジティヴなライミングを乗せ、さながら生絞りインダストリアル・グライムの様相を呈していた前作『#DOOOMBOYS』(2013)から約5年。「Babaくんのヒップホップ感を重視してる」というMurochinの発言を裏付ける、よりヒップホップマナーに接近したアルバムが完成。とは言え、この2人が組んで教科書通りのヒップホップになるはずもない。脳内を弄るようなシンセワークやエフェクト、KIYO(ABNORMALS)やKYONO(THE MAD CAPSULE MARKETS, T.C.L., WAGDUG FUTURISTIC UNITY)のフィーチャーに象徴的な攻撃性はBabaが名指しでライバル視するDEATH GRIPSを想起させるし、「BANG」や桑原延享(DEEP COUNT)を迎えた「I & EYE」といったレゲエナンバーとのシームレスな感覚はWordSound周辺のイルビエントとマッチしている。亀川千代のゲスト参加は、ミッシングリンクを埋める接合材にサイケデリアが有効成分として多分に含まれている事実を再確認させてくれるだろう。シニカルかつシリアスとユーモアが同居するムードはNecroやIll Bill、NON PHIXIONをはじめとするPsycho + Logical一派のファンの心も捉えるに違いない。つまりはDJ SpookyとDave Lombardo、FAUSTとDälekのコラボレート作がお好みであれば必聴ということだし、日本語ラップをパフォーマンスやドラマの側面ではなく、ミュージシャンとしての切り口から体感したいリスナーにもお薦めしたい。今回は加えて、アルバムというフォーマットならではの構成が際立っている。ノヴェル + ミックスCDのスタイルでリリースした『Smoking Barrel』での経験がフィードバックされているようにも感じられるストーリーテリングで、大ヴォリュームながら一気に、かつじっくりラストシーンへと誘うシネマティックな佇まいにも留意すべきだろう。そして本作の組成に欠かせないマテリアルとなっているのが、サイド“Omega”でのリミックスワークに加えて本編サイド“Alpha”のミキシングも手がけたFumitake Tamura aka Bunの存在だ。偏執的なまでの繊細さと攻撃的な大胆さを兼ね備えたサウンドメイキングと、聴き手に新たな視点を提供するコンセプチュアルなアーキテクチャを武器に、日本屈指のトラックメイカーとしてのみならず、現代音楽、ジャズ / インプロヴィゼーションのフィールドにまで踏み込んだ活動を展開する人物ならではの感覚で、ライヴ・アクトにおけるDOOOMBOYSのカオティックな放射を活かしながらも鋭利に彫り込んでソリッドな佇まいへと引き締めている。電気グルーヴ作品などでおなじみの名匠・木村健太郎が主宰するKimken Studioでのマスタリングは、そのダイナミックな立体感をコンパクトディスク・フォーマットに落とし込むことに成功。もはや人力だとかシーケンシャルだとか、ライヴだとか録音芸術だとかを超越した“DOOOMBOYS”が2CDにパックされているということだ。


DOOOMBOYS / ALPHA&OMEGA


DOOOMBOYS / #DOOOMBOYS 1st Album

【DOOOMBOYS】

東京って街は、日本って国は実に狂っている。

都合の悪い真実は嫌悪されただただ蔓延していく「嘘」

嘘を強固なものとする為に繰り返される「捏造」

嘘を受け入れさせる為に巧妙に行われる「洗脳」

そんなの日常茶飯事だって事くらい誰だってわかっている?

じゃあ日々当たり前のようにお前が口にする「常識」だとか「まとも」だとかってのは一体なんだ?

それはつまり今じゃ嘘は真実より確かなものになっちまったって事だ。

最近じゃそんな真実と嘘が生み出した軋轢の隙間からストリートには遂に黒煙が出現したってもっぱらの噂になってる。

それを目撃した奴らが話すその実態は様々だ。

「ドス黒くてでっかい漆黒の煙だった」とか「見た事のない真っ黒くてでかい生き物だった」とか「真っ黒い煙の中でギラつく

無数の目を見た」とか。

だが決まって全員が最後に言うのはこれだ。

「飲み込まれちまった」

今も黒煙は常に目撃した者を大きく吸い込んでは飲み込み続け、日増しに巨大な姿へと進化を遂げる共に、更なる黒煙を生み出し

続けている。

信じられないって思うならその目でしっかり目撃しに行く事だ。

その黒煙は目に見える真実として、耳から体を揺さぶる音として、確実に存在している。

その名は「DOOOMBOYS」という。

東京って街は、日本って国は実に狂っている。

今じゃ嘘は真実より確かなものになっちまっている。

しかし、ストリートじゃそれは通用しない。

これだけはしっかり覚えておいた方がいい。

THINK TANK/SKUNK HEADSのMC・トラックメイカーでありDJ名義「BLUE BERRY」としても活動するBLACKSMOKER RECORDSを代表する

鬼才・BABA氏と、WRENCHでのバンド活動をはじめ数々のユニット・ソロでも活動する日本ドラマー界の異端児・MUROCHIN氏、

という言わば生粋のサウンドジャンキーと言える両者が共鳴し結成された奇跡の特殊音楽隊・黒煙を撒き散らす巨大な新生物。

2011年12月、MUROCHIN氏からBABA氏への「東北にライブしに行かないか?」という連絡をきっかけに結成。当初はインプロ・

セッションプロジェクトとして始動するも互いの音を交わす中で大きく共鳴し、すぐに楽曲制作へと着手。

そして2012年初頭より都内ライブハウス・クラブを皮切りにライブ活動を本格化させるや否や見た者・聴いた者に多大な衝撃を

叩き付け即座に話題沸騰。同年には早くもPOPGROUP主催コンピレーション「KAIKOO PLANET Ⅱ」に初となるスタジオレコーディング

音源を提供、同じくPOPGROUPが主催する野外フェス「KAIKOO POPWAVE 2012」にも出演を果たす。

コンスタントなライブ活動を続けながら渋谷NEOにてDOOOMBOYS名義の定期イベント「ABRACADABRA」を開催。2013年8月に

「BLACKSMOKER RECORDS」とDJ NOBU率いる千葉「FUTURE TERROR」が行う「BLACK TERROR」のツアーへの参加が決定。

2013年11月には結成のきっかけとなった東北ツアーを敢行予定。このツアーには全箇所THA BLUE HERBの出演が決定している。

そして2013年9月、BABA氏の主催する「BLACK MOB ADDICT」より遂にDOOOMBOYS初の単独作品である1st album「#DOOOMBOYS」を

リリースする。オリジナル音源7曲にDOOOMBOYS同様に唯一無二のオリジナリティを誇るCUTSIGH(from AUDIO ACTIVE)・

GORGONN (DEVILMAN / DOKKEBI Q)・SCOTCH BONNET (DEVILMAN)・DUBTRO(Back To Chill/MindStep)・QuO(SQUAT)という強烈にも程がある

全5組のアーティストによるREMIX音源5曲を加えた全12曲を収録予定。

DOOOMBOYSが放つ黒煙は今まさに日本全土を包み込む、既に準備は整っている。